ブドウ×ワイン学校の前期が終了し、
ひと段落したタイミングで人生初の入院をすることになった。
18の頃からずっと違和感を覚え、今まで見て見ぬふりをしてきた。
あまりの出血に殺人現場と見紛うこともしばしば。
自宅から車で5分のところにある病院。
ドラゴンズの選手もお忍びで来るらしい。
愛知県、いや東海3県イチと言っていいだろう。
痔と言えばこの病院。
他府県から手術に来る人もいるとか。
近くにあって本当に良かった。
自分の場合、いぼ痔・切れ痔・痔ろうのフルコンボ!
初診時の先生も「これはスゴイぞ!」と声を上げたほどだ。
手術自体はあっけなく終わったが、その後が地獄だった。
座って痛いのは当たり前、体を動かしても咳をしても...何をしても痛い。
頓服を飲んでも全く効かない。
同じ日に手術したヤツは休憩コーナーで足を組み、余裕を見せつける。
どうせ切れ痔オンリーのひよっこだろう。ボラギノールでも塗っとけ!
そして何よりウ○コをする時が一番の地獄だった。
失神するかと思うほどの激痛。
激痛ゆえに出す量も少なくなり、その代わり回数が増えると言う地獄のループ。
屁をこく事すら怖くなっていた。
ある夜トイレで出血し、痛みと恐怖ですぐ看護師さんを呼んだ。
恥ずかしさなど皆無で、早く状況を確認してほしく「早く来て!早く見て!」と心の中で叫ぶ。
入院前は、初めての入院に少しワクワクしていたが、こんなのはもう二度とゴメンだ!
早く自由になりたい。
普通に座ってのんびりしたい。
気楽に屁をこきたい。
――――――
そんな地獄の日々を終え、人生初の入院は幕を下ろした。
退院時、この病院の風習であろう、主治医の似顔絵入り湯飲みを頂いた。
この顔を見るたび、あの痛みがよみがえる。
それもまたイイ薬かと、薄い茶をすすりながら屁をこく今日この頃である。